マニー・パッキャオの凄さを改めて整理してみる

フィリピンが生んだ
まぎれもなく東洋史上最高のスーパースター、マニー・パッキャオ
5階級制覇(マイナータイトルも含めれば7階級制覇)に挑んだ
WBOウェルター級世界タイトルマッチ。
なお、この超弩級のビッグマッチに便乗して
WBCダイヤモンドベルト

WBOスーパーワールドチャンピオンベルト(笑)
というベルトも賭けられてたらしいです。
発想とネーミングセンスが小二病じゃないかと小一時間(ry


結果は、コットの強固なガードをかい潜って
右の見えないフックと左の超高速パンチを叩き込んだパッキャオの圧勝。
4Rに左アッパーで2回目のダウンを奪ってからは
TKO勝利を収める12Rまで一方的な展開でした。
観戦記は完全に出遅れ感が否めないのでパスして
パッキャオが如何に凄いかということを紹介するエントリーをば。


まずは戦績。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%AA
東洋人初の5階級制覇というだけで十分凄いのですが
近年の対戦相手が凄まじい。
史上唯一の6階級制覇、オスカー・デ・ラ・ホーヤに8RTKOで完勝。
当時、46戦45勝31KOだったイギリスの英雄、リッキー・ハットンを相手に2Rで失神KO勝ち。
そして今回、35戦34勝27KOでディフェンス技術、パワーともにハットンを上回ると
思われたミゲール・コットに対しても完勝、と
超がつく強豪を真っ向勝負でねじ伏せてきたので
唯の5階級制覇とはわけが違います。


しかも、取ったベルトの階級が
フライ級、スーパーバンタム級フェザー級、ライト級、ウェルター
であり、間にある
スーパーフライ級、バンタム級スーパーフェザー級スーパーライト級
をすっ飛ばしてます。
これまでパッキャオが倒してきた相手を考えると
この間にある4階級でも取ろうと思えばベルトを取れたのは明白。
というわけで、9階級制覇も十分に狙えたわけです。
今からだって、スーパーライト級のベルトに挑戦して
デ・ラ・ホーヤ以来、2人目の6階級制覇も狙えないことはないのですが
6階級制覇よりも強敵とのビッグマッチを望むパッキャオが
その選択をすることはなさそうです。


しかし、これだけとんでもない戦績を示しても
パッキャオの魅力は3割くらいしか紹介できてないと言わざるを得ません。
パッキャオの一番の魅力はそのファイトスタイル。
圧倒的なスピードで繰り出される破壊力抜群の左と
若干おろそかなディフェンスによって名勝負を連発してきました。


パッキャオの特徴の一つであるスピード。
サウスポーのファイター型ということになってますが
遠い間合いからフェイントを交えて脅威のスピードで
ロケットパンチとも呼ばれる左ストレートを叩き込んできます。


パッキャオのスピードを語るのに良く使われるのは練習風景です。
以下に張りますね。

・・・
タイトル見ればわかりますが、普通のシャドーに見えるこれが
なんとスローモーションという人外っぷりです。


で、こっちがスローじゃないシャドー。

なぜかスローの方が凄さが伝わってきますね。
速過ぎてわけがわからないからでしょうか。


その一方で、堅いボクシングをしない(できない?)せいか
ディフェンスにちょっと難がある場面がちょくちょく見られます。
まず、リードジャブの差し合いがあまり好きではないようで
ポイントでリードしてても、距離を取ったアウトボクシングをしません。
で、ガードもなんか緩いところがあるんですよね。
守りに徹しているときは、どうも被弾し易いところがあります。
ただ、そこも名勝負を生みだす源泉となっているのは否めないですね。


で、パッキャオの試合の中でも特に名勝負として名高いのは
ファン・マヌエル・マルケスとの2度に渡る激闘。
もし、結果を知らないのであれば
知らないまま、何らかの方法で試合を見るのをお薦めします。
ニコニコがお薦め。


今後は、間違いなくキャリア最大の相手になるであろう
フロイド・メイウェザー・ジュニアとの対戦が待ち望まれますが
正直、メイウェザー相手では流石に厳しいかなあ、という印象です。
メイウェザーもコット同様にディフェンスが上手い選手と言われてますが
コットと違って、フットワークやスウェー、ダッキングなどで
相手のパンチをかわしまくるので、当てるのすら至難。
階級が違う分、1,2発いいのを叩き込んでも倒せないでしょうから
メイウェザーを捉えきれずに判定負けの予感。


それでもパッキャオなら、パッキャオならなんとかしてくれる・・・!
そう信じて、世紀のビッグマッチを待ちわびたいと思います。