ニコライ・ワルーエフvsデビッド・ヘイWOWOW観戦記

ロシアの大巨人、ワルーエフに
脅威のKO率でクルーザー級の3団体を制したヘイが
満を持して挑んだWBAヘビー級王座戦
ヘビー級の歴史を変えるとも言われたこの一戦の観戦記を書いておきます。


ワルーエフは、213cmの巨体を誇るオーソドックスのボクサーです。
詳細はこちらに丸投げ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%95
簡単に言うと、でかくて、うまくて、打たれ強いというたちの悪い選手です。
K-1でいうと、シュルトにハントのタフネスが備わった感じでしょうか。
52戦して1敗しかしていないのですが、その負けもアウトボクシングで逃げ切られたもので
グラついたことすらないようです。
ジャブがよく出るし、コンビネーションも使える器用な巨人です。


対して、ヘイはこちら。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%98%E3%82%A4
こちらもオーソドックスですが、タイプは全然違います。
黒人特有のバネと破壊力で、相手に様々なバリエーションの必殺パンチを叩き込む選手で
22戦21勝20KOという脅威のKO率。
ヘイのスピードと破壊力で、あのワルーエフをキャンパスに這わせることができるのか?
というのが試合の焦点でした。


で、実際の試合なのですが
序盤、1〜3Rは、ヘイが積極的に出入りをして
左右のフックを当てていくのに対し
ワルーエフはヘイのスピードについていけないのか
ジャブすら余り出せない展開。
ヘイのペースで進みます。


それが4Rあたりから、ワルーエフが積極的にジャブを繰り出していきます。
それに伴い、ヘイはなかなか懐に入って行けず、攻撃が繰り出せない展開に。


その流れが再び変わったのが8R終盤。
ヘイが飛び込み、右か左か忘れましたが、フックがワルーエフの顔面を捉えます。
これで自信をつけたのか、9R以降、再びヘイが積極性を取り戻します。
ワルーエフも序盤とは違い、負けじとジャブを中心とした攻撃を見せるのですが
ヘイをうまくコーナーに追い込むことができず、ペースをつかむまでには至らず。
最後、12Rにヘイのビッグショット(これも右か左か失念)がワルーエフの顎を捉え
ワルーエフが人生初めて(?)、ふらつく場面も!
しかし、既にポイントでの勝利を確信しているヘイは、無理に深追いはせず
そのまま試合終了。
ヘイ陣営の思惑とは裏腹に、114-114、116-112、116-112と接戦ではありましたが
2-0でヘイがWBAヘビー級の新王者となりました。


感想としては、正直、期待したほどエキサイティングな試合にはなりませんでしたね。
とにかく両陣営とも安全策に走ってしまい
ヘイはスピードを生かした出入りでパンチを当て、ポイントを稼ぐ
ワルーエフは距離を取りつつ、ジャブでポイントを稼ぐ
という展開のまま、終盤まで行ってしまったというところでしょうか。
両選手とも長期休養明けの試合なので、仕方ないっちゃ―仕方ないんですかね。


ワルーエフが思ったほどジャブを出せなかったのは
ヘイのスピードに対応できなかったというのもあるのでしょうが
おそらくヘイのパンチが思ったよりも威力があったから、というのもあったのかな、と。
ジャブに合わせて踏みこまれるのを必要以上に警戒していたように見えました。


うーん、ま、ワルーエフのジャブでフルボッコという展開にならなかっただけマシですかね。
あくまでWOWOW加入の本命は、来週のパッキャオ vs コットですから!
こっちでエキサイトさせて下さい!!


・・・パッキャオがボコボコにされてお通夜みたいな空気になりそうな予感。