アカゲザルが統計学者のように計算する!?

Yahoo!サイエンスのサルに暗算能力がある、というニュース経由で
以下のようなブログのエントリーを発見。
http://sasapanda.net/archives/1794
以下、実験内容の引用です。

ハワード・ヒューズ医科大学のTianming YangとMichael Shadlenは2匹のアカゲザルの推論をテストした。このテストでは10種類の異なる図形をサルに見せます。図形は簡単な形でそれぞれに+1〜-1までのスコアが設定されています。ここからランダムに4枚サルに見せ、その合計スコアがプラスなら赤、マイナスなら緑を選択すると正解、晴れて飲み物をもらえるというものです。
当然のことですがサルは図形にスコアがついていることを知らないし、プラスになると赤というルールも知らないという状況でこのテストが行われます。

このテストを日に数千回繰り返して数週間後、2匹のサルは4枚の図形からより正確に赤か緑を選べるようになっていた。その正答率は75%にもなるようになったそうです。

なるほど。75%という微妙な数字をどう評価するか
という問題はありますが、図形の組み合わせと色との関係を
ある程度、推論できていることは間違いなさそうです。
いやー、読みたい論文が増えるばかりで、一向に消化できないぞ。


なお、「統計学者のように計算する」というのは以下。

また、電極を用いてサルの領域側頭部(視覚と注意を司る)64カ所のニューロンの活性を観察しています。ニューロンは4つのうち最初の図形に反応し、その図形に対応するスコアに比例した発火(ニューロンの活性化)を見せた。連続で図形を見た場合はそれぞれの図形に対して反応していてそこから最終的に赤か緑かを判断しているらしいことがわかったようです。

この観察結果はサルのニューロンが計算しているのを確認したといえ、特にニューロンが選択によって与えられる報酬について対数尤度比を計算しているようにも見えるとShadlenは話しているということです。

これは多分、逆なんじゃないかと。
サルのニューロンの活動を説明変数
実際の行動を非説明変数としたとき
その関係の評価が対数尤度比によって可能だ
というだけでしょう、おそらく。
厳密には、論文を読んでみないとわかりませんが
Shadlen氏の仮説の立て方がちょっとおかしいんだと思われます。