労働のミスマッチと移民

2/9の朝日新聞に「『移民国家』ニッポン?」という記事。
経済産業省によると、04年時点で日本で働く労働者人口は不法労働者の22万を含め86万人らしいです。
この数が多いか少ないかはともかく、今後、少子高齢化に備え受け入れ態勢を整えるか
治安の悪化や日本人の雇用機会減少を危惧して締め出すのか、は考えていかないといけない問題だと思います。
小生自身は、受け入れることは前提で、どのような形で受け入れるか(規制をどの程度、どのような形で緩めるか。どの程度の権利を認めるか)
を議論していく方が有意義だと考えます。労働力が不足し国の生産力(対外投資部分は除く)が減少していくことは間違いないわけで
特効薬になり得るのが唯一海外からの人材受け入れではないでしょうか。


政投銀の藻谷氏は外国人より女性の労働力で、とおっしゃっていますが
ちょっと議論としては雑なのではないかと。
現状既にそうですが、単純な労働人口もそうですが、労働のミスマッチの問題が大きなネックになってますよね。
単調な労働や体力の要る仕事など、欠かせないけれど労働供給が不足していく職種は
性労働ではカバーできないわけで、その問題に対処するには外国人労働者が有効な一手でしょう。
また、職種のアンバランスだけではなく、業種のアンバランスも同時に考えていかなければならない問題で
1次、2次産業について、どのようにして減り行く人材を補っていくか。そこも焦点となるでしょう。


ただ、自分で言ってて感じるのは、「日本人がやりたくないことを外人にやらせるのかよ!」という罪悪感です。
この点については、むしろ今日本人が避けている仕事は、本当はもっと尊いものなんだよ、という意識が足りないことこそ問題だと思います。
林業なんて、なり手は少ないでしょうが、水源や森林を守る上で大事な仕事なわけで
長期的にはこのような公共財を維持していく業種にもっと多くのお金が落ちるような市場の構築を実現して欲しいと考えています。
とはいえ、人材不足は危急の問題なのでとりあえず外国人も含めて幅広く人材を受け入れる、と。


その後、最終的にそれらの業種が持つステータスが高まるとともに、外国人労働者事態に対するステータスも高まれば理想的かと。