靖国に対する私見 - opechumanの日記

今回、小泉首相のおかげで靖国関連の番組が数多く組まれ
(８割方、テレ朝だったような気もするが)
非常に勉強になりました。

まず、A級戦犯を祭る事に関してどう思うか。
東京裁判の正当性云々も含め
彼らが国家のために戦い命を落としたと言えるのかどうかという問題は
到底結論の出せるものではないのでさておき
元来、日本には猫も杓子も悪人もとにかく祭っちゃえ！
というところがあるので、個人的には、それほど反感を覚えないですね。
「どうぞ、好きなだけ祭っちゃってください。私は歯牙にもかけませんから。」
と、こんな感じです。
また、東條家のように、祭られることを切に望む遺族の意向があるなら
東条英機がどのような人であったかに関わらず、尊重してあげようよという気持ちもあります。
遺族が望んでいないのに、祭られてしまっているケースや
実はまだ生きていました、といったケースはちょっと考えさせられますが
本人や遺族が遺憾だからといって名簿から簡単に削除していたら
威厳も何もあったものではないので、靖国側としては、到底受け入れられないでしょう。

そして、政治家がそのことに対して分祀だの国営化だのと意見を述べることは
靖国を他の宗教法人よりも特別視し、その威厳を保持することを意識しているという点で
言語道断だと思います。
靖国は、政府によってナショナリズムを鼓舞するために作られた神社であり
政教分離の原則からみて対極に位置する存在のはず。
特別な存在だからこそ、厳格に政教分離が適用されるべきじゃないかと。

政治問題として議論する余地があるとすれば、新たに、追悼施設を建立することぐらいでしょうか。
各国の首脳がお参りできる施設がないという意見に対しては
現存する、太平洋戦争の最も象徴的なシンボルである原爆ドームまで足を運んでいただきたいと
小生自身は思っていますが
追悼施設を作ること自体に賛成も反対もしません。もっと存分に議論して欲しいですね。予算とか場所とか。

小泉首相の参拝については、賛成というわけでもないですが
「首相が国益を害する行為をするなんてもってのほか」
という論調には乗れませんね。
本人が、「心の問題」と言っている以上、本心がどうであれ仕方ないでしょう。
（小泉首相に靖国への強い思い入れがあるとは思えませんが）
「心の問題」は国益よりも優先されるべき、と私は考えます。
首相の参拝賛成論者に対する不満としては
小泉首相が参拝することで明らかに国益を損なっているということを、はっきりと認めないことですね。
正々堂々と「確かに国益にはマイナスだが、それでも守られるべきものがあるんだ」
と言い切ってもらいたいものです。