「犬猫殺し」の真意はどこ?

8/25追加
この件についてのまとめサイトがあるようなので
トラックバックを頂きました)
いろいろな人の意見をざっと見てみましたが、野良猫が増えることは

  • 猫にとって極めて不幸
  • 人間様に迷惑がかかる

の2点から、議論する余地もなく却下、というのが主流ですかね、やっぱり。
小生自身は、猫に避妊手術を免れる権利を与えることを望んでいるわけではないのですが
それを望む人の意見を聞きたいですね。それこそ坂東氏の擁護になると思うのですが。


今回の件に限らず、動物に現状以上の(人なら当然持つべき)権利を与えることは
飼い主もあまり望まない傾向があるのが不思議なんですよね。
もちろん、今回の避妊手術の場合は、与えた結果大変なことになることが想像に難くないからなのでしょう。
といっても、人権であれば、そういう障害を乗り越えてでも与えるべき価値のあるものであり
動物の権利の場合でも、同様の解釈をするべきと考える人がいてもおかしくないはず。


と、徒然に書いてみましたけど、人権との対比で捉えた動物の権利について考察している人なら
ごまんといそうだな、とふと思ったので、今度調べてみよう。
調べたい点

  1. 動物愛護の急進派が唱えている意見
  2. 猫の避妊手術が普及する以前に起きた猫増殖に関わる事件
  3. なぜ、多くの飼い主は自分の飼っている動物の権利拡大を主張しないのか(急進派が少ないのか)


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小説家の坂東眞砂子氏が日経新聞のコラムで
自分の飼っている猫が生んだ子供を、崖に投げ捨てていることを告白。
ネットでは批難の嵐のようですね。


その記事の全文を見てみたいものですが
とりあえず、現時点で得られる情報から判断すると
避妊手術の残酷さを訴えたい、ということが、コラムの主旨のようです。


猫殺しの下りは、坂東氏にしてみれぱ
本人ならぬ本猫の意思を無視した避妊手術がいかに
非道なものかということを際立たせる上で欠かせないものなのでしょう。
しかし、その手法は今のところ、あまりうまくいっているように見えないですね。
とても、冷静に議論できる状況ではなさそうです。


せっかくなので、小生は坂東氏の主旨(予想)に添った形で私見を述べようと思います。
確かに、猫を人間の立場に置き換えて
当人の意思に関わらず避妊手術を施すことを考えると
相当残酷な行為であることは間違いないでしょう。
子猫を殺すよりは、よっぽどましだという意見はもっともですが
かといって、殺人より軽い罪だからといって、人体改造が許されるものではないのと同様に
避妊手術も簡単に正当化できるものではないでしょう。
各飼い主が改めて、避妊手術について見つめ直すのも悪くないでしょう。


ただ、自分の猫殺しを正当化する上で、なぜ「社会的責任」が出てくるのか。
小生としては、この点がまったく納得いきません。
「社会的責任」が正確に何をさしているのかわかりませんが
その「社会的責任」が、猫の命より大事だというのは
所詮、猫を人間のための愛玩動物としか見ていないように感じてしまいます。
野良になってでも生きてくれ、とは考えられないのでしょうか。
猫にとって、野良になって苛酷な環境で暮らすのは
生まれて即刻崖から突き落とされるよりも不幸だ
と考えているのなら仕方ありませんが、とても共感はできません。
飼い猫に対する思い入れが本当に強いのなら
社会的責任なんて、それこそ崖に捨ててしまえ!と。


まあ、現実問題としてみんなが避妊もしないで産ませっぱなしだと
野良猫の大量増加は免れず、人間社会にさまざまな害も出るでしょうが
人間が大量繁殖しても、それを間引きしようということが倫理的に許されないように
もし人間と猫を同等視するなら、それも止む無しと考えるのが自然。
そして、同等視するくらいでないと、坂東氏の主張はなかなか受け入れられないでしょう。
というのは言いすぎですかね?


それにしても、これでもし「猫殺し」の話がフィクションだったら滑稽ですな。
インパクト狙いの嘘だとしたら効果は抜群でしたが、違う意味で非難轟々なのは間違いないでしょう。
> 同協会(日本動物愛護協会)では本当に「猫殺し」があったかについて、日経新聞に調査を申し入れる。
とのことなので、日経新聞にはぜひ裏を取ってもらいたいです。