動物の権利(Animal rights)とは

とりあえず、動物の権利拡大を主張する人たちの意見を収集してみようと
「動物の権利」でググったところ
動物の権利について考えてみませんか?
というサイトを見つけることができました。

このサイトに、animal-rights.networkというサイトの
animal動物の権利についてのFAQを翻訳したものが載っています。
その中で、いくつか引用しますと

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#01 そもそも動物の権利の問題というのは何なのですか?
    私に何の関係があると言うのですか?

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  動物には、人から危害を加えられたり虐待されたり搾取されたりする
ことなくその本来の性質に従い生きる資格があるというのが動物の権利
運動の基本的な考え方です。これは、利用している間、あるいは殺して
食べるまでの間は動物を優しく扱うべきだとだけ言うのよりもさらに踏
み込んだ考え方です。

 動物の権利運動の基本理念は、動物には人間から残虐な行為や搾取をさ
れない権利があるというものです。その点に関しては人間がそうした権
 利を有するのと同様です。人間とは種が違うことを根拠に動物の権利を
 認めようとしないのは「スピーシズム(種差別)」に当たると考えます。
(以下略)

アニマルライツセンターの情報を加味すると
動物実験や工業畜産、ペットの過剰販売に伴う殺処分、過剰繁殖
不良飼い主による虐待、毛皮といった問題を
動物にも権利を認めるべきだという観点から解決しようということですかね。

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#02 動物の権利(Animal Rights)運動は動物の福祉(Animal Welfare)
    運動や動物の解放(Animal Liberation)運動とは違うのですか?

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   動物の福祉(*1)運動は動物の苦しみを認め、動物を「人道的」に扱
う事によりその苦しみを軽減する事を目指しています。しかし、人間
が動物を利用したり搾取したりするのを廃絶する事は目標にしていま
せん。

   動物の権利運動はその考えを大幅に発展させたもので、動物を搾取
することを認めず動物に権利を与えようとするものです。

   動物の福祉運動を支持する人は牛が十分なスペースを与えられてい
るか、適切な食べ物を与えられているかといった事は気にかけます。
しかし、牛が「人道的」に飼育され屠殺される限り、牛を殺して食べ
る事に関しては気にしないのが普通です。
動物の福祉運動を押し進めている団体には「動物虐待防止協会」や
「動物愛護協会」があります。
(以下略)

なるほど。福祉運動は人間生活の営みを極力変えないことを前提に
飼い主が犬を蹴る、などといった不合理な苦しみから動物を助けるもので
権利運動は、動物に対する非人道的行為をなくす為に
人間活動のあり方をも変えることを求めていく、という違いがあるんですね。

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#03 権利とはそもそも何ですか?
    実際にはどういう権利を動物に認めようというのですか?

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(中略)

   こうして見てくると動物や人間が持っている権利というものはそれ
ぞれが持つ関心や能力によって決まってくるものと言えます。動物は
人間同様、生きる事や苦痛を避ける事、それに幸福を追求する事にさ
え関心を持っています。道徳の命ずるところにより動物は人間同様、
そうした事に対する権利がある事になります。人間の手による搾取や
虐待をから免れるという事によって動物はその権利を行使したことに
なるわけです。

長いので略してしまいましたが、動物に選挙権を認めることや
人間に羽をばたつかせる権利を与えることは無意味でしょう
ということが、引用部分の前に書いてあります。
その上で、人間と動物には共通点もたくさんあり、その部分については
共通の権利を認めましょう、ということ・・・かと解釈しました。


で、動物の権利運動は相当急進的だな
こりゃ、避妊手術にも反対だろうな、という期待のもと
残りの質問をざっと読んでいったところ、問76に衝撃の回答が!

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#76 不妊手術や去勢手術についてはどうなんでしょうか?

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  イングリッド・ニューカークは次の様に書いています:

  『私たちの一番の友達に起こっていることは、私たちに一番の敵にさ
   えも味わって欲しくないほどひどいことです。アメリカには現在、
   8千万から1億匹の猫と犬がいるとみられていますが、一時間ごと
   にさらに3000匹から5000匹の子犬や子猫が生まれています。
   これはまともな引き取り手を見つけられる数をはるかに超えていま
   す。
    もらい手のない動物たちは動物収容所に連れて行かれるか、森の
   中や街かどに捨てられます。捨てられた動物たちには、行く場所も
   なく、獣医の手当ても受けられないまま、飢えや虐待に苦しむので
   す。ほとんどは病気や飢えや虐待によって死んでいきます。幸運な
   ものは動物収容所で 永遠に「眠らされる」ことになります』

  去勢手術や不妊手術によって防がれる苦しみや害は、手術を受ける動
 物たちに加えられる害よりも、はるかに大きいというのが重要な点です。
 動物たちに加えられる害の総量としては最小限になるのです。

この質問に対する回答の短さ、しかもそのほとんどを引用で済ましている
ことから、おそらく強い確信を持った回答ではないのでしょう。
ただ、正直意外ですね。もし、人間と同様の権利を与えるべきと考えているなら
避妊手術を許容することは矛盾をはらんでいるといわざるを得ないでしょう。


これは、もっと本腰を入れて探さないと
避妊手術批判派の意見を見つけるのは難しそうですね。
仮に、これを主張する集団・団体がいないのだとすると
坂東氏の提言自体は、結構意義のあることだったのかもしれません。