検証 昭和報道のロッキード事件3から伺えるマスコミの信念

朝日新聞の夕刊で長らく続いている「検証 昭和報道」。
このところはロッキード事件を取り上げているのですが
小沢問題で紛糾しているこの時期に扱うテーマとしては余りにも挑発的。
もともと予定通りだったのかもしれませんが
朝日新聞のメッセージが込められているのは間違いなさそう。


で、2010年2月16日のロッキード事件3は特に過激な内容が。
もともと知っている人は知っている内容のようですが
自分は初見だったので、ちょっと衝撃を受けました。
以下、一部引用。

検事総長を訪問
 1976(昭和51)年2月16日、朝日新聞社会部長の佐伯晋(79)は、デスクの中川昇三を伴い、検事総長の布施健をこっそり尋ねた。
(中略)
 検事総長訪問のねらいは、ロ事件に対する検察の「やる気」を確かめることだった。
(中略)
 訪問前日の朝日社説は「米国に日本政界の弱みを握られていて、果たして日本の国益が保てるのか」と問いかけていた。佐伯はこの論理で、戦前の公安検事でゾルゲ事件の捜査にもかかわった布施を説得しようと考えた。
(中略)
 佐伯は検事総長訪問の「秘話」を日本記者クラブ会報2000年5月10日号で明かした。
 これに対し雑誌「SAIPO」09年4月22日号は「『田中角栄』を排除せよ』という与党内の一部勢力や検察の意図があり、そこにメディアが全面的に協力した疑いがある」と批判した。
 佐伯はいま、こう反論する。「新聞も検察も一緒にやらないと、この疑獄は解明できないと思った。権力に迎合したり、お先棒を担いだわけではまったくない」
(以下略)

人それぞれ思うところはあるでしょうが、自分としては最後の佐伯の反論が印象的ですね。朝日新聞の「正義」を隠すことなくストレートに表現した発言ではないかと。大手新聞社では、今なおこの「正義」が根付いているんでしょうね。