「Wikiで法案制作」を追う13

草案の訳は結構前に終わっていたのですが、アップするタイミングを逃しつつ今日まで。
もう一気にアップしてしまいます。


Part 3 Personnel provisions
Commissioner To Act As Good Employer
長官は良い経営者として行動しなければならない。警察官は人間であり、非常識な状況からは保護されるべきである、ということが書かれている。「警察官は侵略者を射撃しなければいけない」というメール云々の事例に対し、載せるには適切ではないというコメントあり。

Appointment Of Police Employees
警官(officer)に応募するには25歳以上でなければならない。また、ニュージーランド市民であること、指定された大学を出ていること、経験、国籍そして英語力が求められる。また、身体検査や性格検査などの試験の内容、訓練についても規定されている。旧法では細かい規定は指定されていない。海外からの移住者の採用については考慮されていなかったと思われる。
コメントでは、性格の検査やトレーニングに対し、以下のリンクを示し問題を提起している。http://www.un.org/Overview/rights.html

Appointment Of Special Constables
巡査(Constable)の規定。性格検査はあるが身体検査はない。逮捕権がない。旧法でのsworn とnon-sworn との区別か

Commissioner May Set Standards Of Behaviour
長官は警官の行動基準を決定することができる。これは旧法と同様と思われる。コメントも含め、基本的には警官の人権を尊重するべきであり、過度なものは望ましくないという注釈が多い。Alternative viewでは具体的に基準を定めている。

Registration And Membership Requirements For New Zealand Police
ニュージーランド警察に指定された大学になるための条件。履修科目を含め細かく規定されている。旧法には指定された大学という概念自体がない。

Notes On Part 3
Constableはもっと厳しく制限したほうがいい(No "Massey's Cossacks" )
The PoliceとInvestigative Branch は別々に必要だ
大学の規定が勅許(公認?)会計士と変わらないが、それほどの専門性を有するものなのか疑問

Part 4 Operational policing provisions
Police Communications
警察との交信は円滑、迅速、確実にとれなければいけない。旧法では存在しない項目。

Response Priorities
警察が対応する対象は、人に対するものではi)所有物(強盗のたぐい)、ii)交通(スピード違反など)、iii)ドラッグ(合法、違法に問わず)、iv)人(殺人など)。または人以外の生き物に対するものもある。旧法ではここまで具体的な指定はなかったように思われる。Alternative viewでは交通は他の項目と分けるべき、risk-benefit modelでは人は(おそらく条文化できないような)無形のものも考慮しているという意見がある。

Protection Of Private Property
所有者の権利は犯罪者の権利より優先されるという旨と、侵入者に対し警察が来るまで引き留めるために、最低限の力を行使することを認める。Alternative viewでは、引き留める代わりにカメラによる録画をすることを挙げていたり、身の安全や違法行為をとめるための行動により訴えられることがない、ということが書かれている。また、コメントではcitizens arrestの項目の必要性および、違法者はoutlawであり法の保護から外れるということが、旧法でもそうなっているという意見も含め存在する。

Child Criminals
警察は16才以下の若者(Youth)も成人の犯罪者同様に尋問と拘留できる。ただし、身の安全のために成人犯罪者と分けるなどの適切な処置が求められる。10才未満は尋問、拘留できないようにするという案もある。Alternative viewsでは厳しすぎるという意見と成人とほとんど同様の条件でよいという意見の両方がある。旧法では扱われていない。

Actively Pursuing Criminals
警察は犯罪の重さに関係なく積極的に操作するべきである。Alternative viewsでは警察の労力には限度があるので重大犯罪に比重を置くべきだという意見があり、そのひとつに軽微な犯罪は民間の組織に任せるべきだとしている(Private security forcesへ)。旧法では扱われていない。
Citizens Arrest
他に犯人を留まらせる手段がない限り、自分の所有権を侵害された市民やビザ所有者は犯人を逮捕できる。できるだけ早く警察に連絡することが求められる。Alternative viewでは警察に協力する義務、警察が報告を受けた犯罪をすべて取り扱う義務、この法律のもと記録をとることの許可などがある。コメントでは、Citizens Arrestは限られたニュージーランド人(ニュージーランド人のことをkiwiと呼ぶらしい)が、他人が生命の危機にあるときのみに行使するものである、逮捕マニュアルを作るべき、民間の探偵、警備員、誘導係(Crowd Controller)にも逮捕権を与えるべき(the Private Investigators and Security Guards Act 1974 )、などといったものがある。
 また、賞金首(懸賞金)についての議論も行われている。

Traffic
警察の交通取り締まりの対象と方法(待ち伏せして違反者を捕まえる方法は禁止など)を指定している。

Policing For Business Concerns
警察は特定の企業の目的のために利用されてはいけない。

Warrant Of Entry

Police Officerとjudgeはサイン付き同意書により犯罪の阻止のための立ち入りが可能となる。その際、所有物に損害が生じてしまうなら、可能な限りの説明責任がある。そのような損失は誤った操作の際は補償される。コメントでは委任状なしで侵入するべき状況もありえるがどうするのか、という意見がある。

Notes On Part 4
侵入者に遭ったときの適切な対処のレベルを判断することは難しいのではないか
市民に犯罪者を殺す権利を認めるべきではない
相手を殺すことでしか対応できない状況だってありえる
具体的な状況での対処についてどう判断すればいいのか教えてほしい
Business Concernsについては物理的、身体的被害を優先すべき、ということを強調したほうがいいのではないか
immobilising people(駐車違反者?)に対する対処方法の提案


Part 5 Administrative provisions
Command And Control

警察メンバーは上司の命令や自身に課されている義務に従って行動するべきであり、大臣に従ってはならない。

Employee Vetting
警察への就職を希望するものは身体検診および経歴のチェックを受けなければならない。過去に飲酒運転違反をしたものは警察に入ることはできない。

Part 6 Private security forces
Private Security Forces
Government security forcesを除き、Policingを行う組織を設置してはいけない。ただし私有地警護は除く。Alternative viewを含め、この項に反対する意見も書かれている。旧法では想定されていない。

Part 7 Victims Rights
Rights That Police Must Afford To Victims
被害者には犯人逮捕への努力、情報開示、安全確保のためのアドバイスなど最大限の配慮をなされなければならない。Victims' Rights Act 2002 の存在がコメントで指摘されている。

Alternative versions
Another Possible Version Focussing On Sexual Offences
警察による犯罪、暴行、職権乱用に対する市民の対応に関する規定と、証人がいないときに市民の証言とOfficerの証言をどう扱うか、という2点が議論のポイントとして挙げられている。性犯罪者の監視、子供への性犯罪への対応、薬物による性犯罪、性犯罪暦の公開を規定している。


全般的に法律の知識がなくても理解が可能な内容に終始されていましたね。
運営側の編集の結果なのか、Wikiというものの性質からそうなったのか、気になるところ。