日本にも007か!?という話とメディアの客観報道

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080311-OYT1T00134.htm?from=top
中国の裁判で、日本の外務省の役人がスパイ認定されたという記事です。
どうも外務省というものは相当の秘密主義のようなので
スパイ機関のひとつやふたつくらいあっても不思議ではないですよね。
伏魔殿にはロマンが一杯です(淡々と)。


それはさておき、記事によると報道している読売新聞の記者も加担したと、裁判では見なされていますが
このように当事者の属するメディアが記事を書くと、当然その客観性が気になります。
で、結論からいってしまうと、赤点ですね、赤点。

 中国の北京市高級人民法院(高裁)が2006年9月の判決で、日本外務省の国際情報統括官組織を「スパイ組織」と認定したうえで、同組織で勤務していた現外務省幹部と、在北京日本大使館書記官を「スパイ」と断定していたことがわかった。


 在東京関係筋が10日明らかにした。中国の裁判は2審制で、2人と接触していた中国人男性(48)に対しては、この判決により、「スパイ罪」で無期懲役が確定した。中国が日本の外務省組織と外交官をスパイと断じたことが表面化するのは極めて異例で、判決は当時の小泉政権下で関係が冷却していた日本への根強い警戒感を映し出している。

"判決は当時の小泉政権下で関係が冷却していた日本への根強い警戒感を映し出している。"
と如何にもこの判決が当時の政情に流されたものであるかのような印象を与えようとしていますが
まず裏付けは取ってないでしょう。社説でもないのに推測を書いている時点で通常の記事とは趣きが違います。
そもそも、"映し出している。"なんて比喩表現
記者は詩人でも志しているのでしょうか。

また、本紙と別の社の日本人記者2人についても、中国人男性から機密情報の提供を受けていたとして、「スパイ組織の代理人」と決めつけた。

仮にも他国の司法機関が出している判断に対し
"決めつけた。"と書くのは思い切りがよ過ぎですよ。まあ、気持ちは分かりますが。


感傷的な部分をあえて隠さず記事に載せることで読者に当事者の心情まで含めて深く伝えるという
読売新聞が編み出した新手法の可能性も完全には否定できませんが
そういう主観的な主張の部分は社説にてお願いします。