凱旋門賞の価値と日本馬の勝算

世の中では、ディープインパクト凱旋門賞が小生の予想を遥かに上回る注目度で話題になっていたようで、ちょっとびっくりしています。
そして、ぶっちぎりの勝ちを期待していた多くの人にとって
思ったより前目になってしまったポジション以外、これといった敗因がない中での負けはショックを与えているみたいですね。

小生としては、小さな馬体に跳びの大きな走法のディープインパクトにとって
2分31秒70(2分26秒3に訂正されました。それでも、日本と比べれば十分遅いので、まあ意見は変えなくていいかな)という、日本のダート以上に時計のかかるような馬場は明らかに不向きだったと思っているので、むしろ健闘したと言うべき


と、素直にいえないですよねー。正直、メディアであそこまであおられたら、基本的に天邪鬼の小生でも期待してしまいますよ。
小生の好きな競馬予想家である柏木集保さんも、プロらしからぬ感傷的な感想を書いていますが
競馬関係者の間でも、エルコンドルパサーのときの比ではない期待感があったことは、メディアを通してひしひしと伝わってきます。


ただ、そういう感情論を別にすれば
ディープインパクトは高速馬場におけるスローかミドルペースの競馬こそ本領だと思っています。
凱旋門賞と同じメンバーで京都競馬場の芝2400mを舞台に戦ったら圧勝するはずです。
重馬場の宝塚記念で勝ったのはあくまでメンバーが弱かったからで
むしろ、あの面子だったら、タイキシャトルが海外遠征前に超重馬場でぶっちぎった安田記念くらいのパフォーマンスを見せて欲しかったところ。


「本当に強い馬なら距離やコースなど関係ない」という命題は
マヤノトップガンの大ファンである小生にとっては断固否定すべきテーゼなのですが
(なぜか?それはトップガン戦績のうち、96年のオールカマー有馬記念あたりをご参照)
いかんせんサンプル数が少ないためになかなかはっきりしません。
ただ、人間の場合なら、同じ選手による争いで距離の違いによって順位が入れ替わることは、トップレベルでこそ頻繁に見られます。
むしろ、本当の超一流の間でこそわずかな条件の違いが致命的な差を生む、と思っています。


日本馬が凱旋門賞で勝てていないのは、そもそも挑戦する頻度に問題があるのではないでしょうか。
凱旋門賞に挑戦した日本調教馬の数は7頭、これは他の海外GⅠと比べると多い部類に入りますが
日本のホースマンにとっては、ドバイワールドカップブリーダーズカップよりも権威のあるレースであり
世界最高峰と位置付けられているレースであることを考えれば、むしろ少ないですよ。
凱旋門賞勝ち馬が日本において種牡馬としてあまり成功していないことや
単純に優勝賞金がいまいち高くない(ジャパンカップと比べても見劣りする)といった実利的な問題があって
オーナーの支持が得られにくいのかもしれません。


もし、毎年の日本ダービー馬が定期的に挑戦していれば、間違いなく何頭か勝ってると思いますね。
ナリタブライアントウカイテイオーキングカメハメハなどなど。
脚質などを考えれば、サニーブライアンアイネスフウジンなどでも勝てた可能性があるんじゃないかな、と。