朝日新聞は西松建設から小沢一郎への違法献金問題をどのように伝えているか
メモも兼ねて、朝日新聞を軽く叩いときます。
微妙な言葉の使い分けで印象操作しているよね、というお話。
朝日新聞の6/19の夕刊に載っていた記事です。
全文引用は不味いので、とりあえずリンクを張ります。
http://www.asahi.com/special/09002/TKY200906190303.html
リンク先の記事に目を通して頂いたことを前提に、以下、解説を。
まず、タイトルですが
「献金分散、小沢氏側が指示」検察、捜査批判に「反論」
これ、実は紙面の方では
献金分散、小沢氏側が要請
検察側 偽装の構図を説明
だったんですよね。WEB版では大分、改善してます。
紙面の方では、カギカッコがないわ、「『反論』」じゃなくて「説明」になっているわで
より断定調です。検察の捜査の妥当性が世間の関心なのに
検察の冒頭陳述を事実として書くというのは、如何なものかと。
次に、伝聞表現の使い方。
わかりやすいのが、ここです。
「小沢事務所との関係が良好でなく、特に岩手県での公共工事が取れない」
献金のきっかけは、95年に国沢前社長が当時の東北支店長からこんな説明を受けたことだった。この年に約1300万円を寄付すると、翌96年には岩手県発注のトンネル工事(約25億円)の受注に成功。これを機に定期的な献金が始まった。
97年には、小沢事務所と交渉し、年間2500万円を小沢前代表側の複数の政治団体に献金することを決定。約1500万円は西松建設から、約1千万円は西松建設の下請け企業を経由させることになったが、小沢事務所は西松建設側に一括して献金の請求書を送っていたという。
小沢事務所は献金が表面化しないよう偽装工作も指示。西松建設側に「多額の献金として社会の耳目を引かないよう、献金名義もできるだけ分散してほしい」などと求めた。この要請に加え、政党以外への企業献金が全面禁止されたこともあり、同社は00年、ダミーの政治団体を利用するなどしたとされる。
太字の箇所って断定形ですよね。でも、実際は冒頭陳述からの伝聞ですよね。
物凄く好意的に解釈すると、最後の段落は一応、段落の最後に「とされる」があるので
「とされる」の作用域が段落全体に及んでいると捉えられなくもないですが
前半の「『小沢事務所との関係・・・定期的な献金が始まった。」の箇所は
段落全部が断定形なので、何気なく読むと事実と受け取ってしまう危険性大ですよ、これは。
断定形をうまく滑りこませて、読者に事実であるかのように印象付けるのは、如何なものかと。
これらの微妙な言い回しの使い分け、朝日新聞の編集員が意図的に行っているのかどうかが気になるんですよね。
タイトルにせよ本文にせよ、WEB版では、何故か再編集しているんですよね。
本文は、文字数やレイアウトをコンパクトにするためだと思うのですが、タイトルは直す必然性がないですよね。
ということは、紙面の方は自覚的に煽り調にしているのかもしれんですね。
WEBでは荒れる原因になるから、自重、と。
いやー、いやらしいとしか言いようがないですね。
朝日新聞、如何なものかと。
ホント、如何なものかとと言いたい。