青木真也の問題は腕折りの方を重視するのが正しい

サーシャ・バクティンの記事を書いた後、ふと思ったので書いておきます。
Dynamiteでの青木真也廣田瑞人の右腕を折り
中指をおっ立てた問題で
いろいろな意見があるようですが
MMAがメジャーになる上で今回の行為がどうなのか
という観点で論じている人ばっかりなのが面白いですね。


一番顕著なのは、格闘技関係者。
亀田一家の言動にボクサーが怒りを示すのも
今回の件で、格闘技関係者がブログにて怒りのコメントを示しているのも
ボクシングもしくは格闘技には
野蛮な競技だというイメージを払しょくしなければ
決してメジャーにはなれない、という大前提があるから
野蛮さを強調するような行為には反射的に嫌悪感を抱くんでしょう。
そして、選手に近い
(仲がいいまたは、特定の選手を応援するという思いが強い)
ファンが青木に嫌悪感を抱くのも
ほぼ一緒なんだと思います。


一方で、あくまでエンターテイメントとして格闘技を捉えている人だと
同じ否定派でもちょっとニュアンスが違ってくるんですよね。
日本にしたってアメリカにしたって
ボクシングにしたってMMAにしたって
程度の差こそあれ、ある程度、野蛮な側面がないと
娯楽としては面白いとは言い難いわけで。
彼らand彼女らの意見は
青木真也のミスはさじ加減を間違えたところにある
という結論になっちゃってます。


ただ、どちらの立場にしても(廣田の直接の関係者を除いて)
廣田の容体が一番の関心事なのではなく
格闘技が社会的にどう見られるかということが一番重要なんじゃないかと。
そういうことを議論すること自体を否定するわけじゃないんですけど
腕が折れたことの方を重要視する素人意見に対する
冷淡な態度を見ていると、ちょっと麻痺しているなあって思いますね。
素人にとっては、どう考えたって腕が折れたことの方が深刻です。


命に別条がなく、脳に障害が出ることもないとはいえ
桜庭和志武田幸三と同じ類の問題として考えるべきでしょう。
レフェリングとセコンドの仕事しなさぶりについて
もっと真剣に考えてほしいですよね。
(もちろん、言及している人は少なからずいますが
桜庭、武田のときとは全然テンションが違います)
メジャーな団体でここまで不祥事が続くと
個々の選手や審判を叩いて済むとは思えない
根深い問題があると考えざるを得ないです。
格闘技雑誌は、穿った見方を披露している暇があったら
もっと真剣に問題提起をするべきですよ。


とまあ、自戒も込めて書いてみました。
自分も最初は廣田の容体を気にもしてなかったもんで。反省。


ちなみに青木真也に対する自分の意見ですが
仕事相手に中指おっ立てる26歳のキチガイは嫌いじゃないです。
もちろん、一緒に仕事したいかと言われると考えてしまいますが
青木よりもよっぽど問題ある人なんてざらにいると思うんですけどね。
遅刻常習犯でプライベートでもはしゃぎ過ぎてしまう
某マッハとか。
そもそも、有名人に品行方正を求める感覚がよくわからん。


そういやDreamの場合、品行方正な日本人が少な過ぎる気が。
コントロールが大変そうではありますな。
笹原さん、佐伯さん、頑張ってください。