あそうと!(2)〜資産デフレ不況〜

今回は、麻生氏がホームページで熱く語っている資産デフレ不況についてです。
http://www.aso-taro.jp/lecture/kama/2007_3.html
http://www.aso-taro.jp/lecture/kama/2007_4.html


資産デフレとは、1991年以降の土地暴落を指しているようです。

よくいわれた不良資産、貸しシブリ、貸しはがし、etc。全ての元凶はこの土地価格の暴落に端を発したと私は思っています。

これ自体はよく言われている話ですね。
このような事態に対して、政府はどう対応するべきかという点こそ大事なわけで。
で、政府が実際に取った行動について、麻生氏は
不良債権処理はまずかった。ただ30兆円の国債借り入れで被害の拡大は食い止められた
と評しています。


詳しく見ていきましょう。まず

そこに竹中平蔵という経済現場の解っていない人の、銀行の不良資産一掃策が追い打ちをかけました。結果、多くの銀行は預かっている担保の土地を安くても売却し、企業は資金繰りがつかなくなり、やはり安い値段でも資産を売却して債務返済に努めました。

不良債権処理を促進したのがまずかったと。なぜか。
それは「合成の誤謬」を引き起こしたから。

合成の誤謬・・・あまり聞き慣れない言葉だと存じます。簡単に言えば、よいことだからといって、皆で一斉にやったら、結果は必ずしもよいことにはならないという意味です。麻生太郎が酒も煙草もゴルフも選挙もヤメタとします。医者もほめるし私の体も喜ぶ。妻も赤飯炊いて喜ぶでしょう。しかし同じことを日本人が全員でやったらどうなるか。全国の酒屋、煙草屋、ゴルフ場、飲み屋、歓楽街が軒並みツブレルことは確実で、失業者は溢れ、結果として不況になる。一人でやることは問題なくよいことでも、1億2千万人が一斉にやったら大問題です。
 企業が借入金を銀行に返済するのは当然ですが、全企業が一斉に借入れより返済を優先したら、まず金融業は成り立たなくなる。金を貸して利鞘(りざや)を取る金貸し業は、金を借りる人がいるという前提で成り立ちます。借り手の主たる企業が金を借りず、預金する個人が今まで通りだったら、銀行商売は成り立ちません。

で、金を借りる人がいないと、市場の資金流通量が落ち込みデフレ不況になる、と。
ただし

今回の場合は、政府がその30兆円の金を国債として借りて来られたから、日本の不況はこの程度で済み、GDPもこれだけのデフレ不況下で500兆円を維持できました。

というわけで、結果的には一安心。景気も持ち直しましたとさ、ということのようです。


結論を簡単に言ってしまうと
デフレ不況だと思ったらガンガン国債発行しましょう
と言いたいわけですね。わかりました。


・・・あれ?ということは、今回はインフレ不況なわけで
同じロジックでは、国債発行しよう、という結論にならないはず。
麻生太郎はバラマキ志向だと言われていますが、その点、どうなんでしょう?


謎を残しつつ、次回へ。